夜中。
左近は目を覚ますと同時に大きなくしゃみをした。
「何でこんなに寒いんだ」
夜着がはだけ、ほぼ体が見えてしまっている。
隣の夜具では綾女が温かそうに眠っている。もうひとつ夜具を延べるのも面倒に思え、こっそりと同じ布団にもぐりこんだ。綾女をしっかりと抱き込む。
「あったかいな」
まるで抱き枕のように手足を絡ませ、綾女はどんどん冷えていった。左近の身体に温かさが戻ってくると、温もりを求めて綾女が擦り寄る。きゅっと左近の襟を握りしめる手。
その姿で朝を迎える…。
「起きろ」
左近の声で綾女は目が覚めた。やたら近いところから聞こえてきた。
「ん・・」
身じろぎしようとするが、何かに抱きかかえられて動けない。はっと見上げると、そこには左近の顔があった。そして左近の手足がしっかりと綾女の身体を包み込んでいる。
左近の夜着は乱れて、あちこちに素肌が見えている。そして綾女も少なからず寝乱れた姿をしていた。
「ま、まさか」
「俺を脱がせたのはお前だろう?危うく風邪を引くところだったぞ」
「え、私が?あ!」
綾女は見る見るうちに赤くなった。綾女の襟元から、す、と左近の手が入りこむ。鎖骨が見え、そこに左近は紅い華を散らした。
「何をする」
「俺を脱がせたお礼さ」
綾女はびくんと身体が震えた。首筋を左近の唇が這い上がっていく。そしてゆっくり左近が離れた。
「続きは、また今度な」
憎らしいほど余裕たっぷりな態度で左近は部屋を出て行った。
- 時を超えた絆
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