「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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君を慕いて・・9

綾女は自分のくしゃみで目が覚めた。
暖かかった縁側は翳ってきていた。どれくらい眠っていたのだろうか。
「あ・・」
掛け物は左近のものだった。体を起こすと左近が歩いてきた。心なしか機嫌が悪そうだ。
「左近」
綾女が声をかけると無表情で見やった。きちんとたたんだ掛け物を左近に渡す。
「すまなかったな」
「あ、ああ・・」
掛け物を受け取り、左近は綾女を見つめた。先ほど高久に、自分が綾女のことを好きだと告白してしまった。そのせいか、綾女がとても綺麗に見える。
「どうした?」
左近は吸い込まれるように唇を重ねた。鳳来洞のときは思い切り左近を叩いた綾女だが、今は目を閉じてしまっている。
「んん・・」
甘い声すら出てしまう。やがて唇が離れると、左近はからかうように言った。
「今日は叩かないんだな」
言ったとたん、小気味いい音が左近の頬で炸裂した。
「左近の馬鹿!いきなり何をするんだ!」
唇の感触を甘いと感じた自分に腹が立ち、左近のからかいに八つ当たりしている綾女。左近が何かを言おうとしたが・・。
「うるさい!もう一発食らいたいか!」
反対の頬も張られた左近。綾女は猛烈に怒りながら自室に入り、ピシャッと襖を閉めた。両手が腫れてヒリヒリしている。
「まったく、じゃじゃ馬だな。痛・・っ」
左近は両頬を冷やしはじめた。
「左近様、おいたわしい・・くすっ」
物陰から見ていた桔梗が笑う。遠くから見ていた高久も首をかしげた。
「綾女、あんなに乱暴だったか??」
綾女はふっとため息をついた。
私は、高久様も左近も気になっている・・
許婚と苦楽をともにした男と。
綾女はまた眠れぬ夜を過ごしてしまった。

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