「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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再会5

それから約2ヶ月。
綾女は左近と口を利かないばかりか、姿すら見せなかった。
もともと人と関わるのを好まない綾女だったため、周囲からは何の変わりもなく見えていた。
季節は移り変わり、空気に湿り気が多くなってきた。
「あ・・」
ポツリ、と雨が綾女の頬に落ちた。ポツ、ポツと雨粒は増え、綾女は辺りを見回した。雨をしのげる場所もなく、綾女は折り畳み傘を持ってこなかったことを後悔した。
ふと視界が暗くなり、傘が雨をさえぎる。
「今日、梅雨入りだって言っていたぞ」
左近は綾女を見ずに歩みを揃えた。雨音はだんだん激しくなってくる。
「ありがと・・・」
綾女は小さくお礼を言った。左近は黙って綾女に傘を差しかける。
「あの時は悪かったな・・・」
瞬時に綾女の顔が赤くなり、左近から離れようとした。それを見て左近は綾女の肩を抱き寄せた。
「濡れるだろ?」
綾女は肩に添えられた左近の手に意識が集中していた。とても懐かしい気がしていた。
そのままふたりは言葉を交わすことなく家に着いた。
「ありがとう、左近」
綾女は小さくお礼を言って、部屋に姿を消した。
初めて名前を呼ばれて、左近はまた綾女への思いを深めていくのだった。

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