「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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わかれ・・・?

熱い・・・。
痩せて見える左近の体は、思いのほかたくましく私をいやがおうにも抱いた。
外は吹雪いているのに、重なる体は汗が滴り落ち、火照っている。
隅々まで見られた私の体。手の届かぬところまで左近に触れられてしまった。
「きれいだ、綾女」
何度も耳元で囁かれる言葉。
左近の思いを何度も中で受け入れ、やっとつながりが解けたときには、私は意識を失いかけた。
「夫婦になろう」
そんな左近の声を夢うつつに聞いた気がする。
あれから数ヶ月。
今、私の目の前で左近が目を閉じた。
「静かだな・・」
そう、言い残して。
私はそっと左近の体を起こし、抱きしめた。いつもより倍も重く、胴回りが太い。
「夫婦になると・・言ったではないか」
そっと左近の唇に自分の唇を重ねる。
「まだこんなに温かいのに?」
死んだはずの左近の唇がチュウ~と尖ってきた。そしてはっと気づいたように動きを止めた。
私はそっと左近を地面に下ろした。
「・・・死んだ者は、手を落としても自分の顔にはぶつからないと聞く」
言いながら左近の手をとり、左近の顔に向けて落とす。腕は顔をきれいによけて顔の脇の地面にそっと落ちた。
「左近。生きているのだな。もうばれている。観念して目を開けよ」
左近はさっさと起き上がり、埃をはたいた。
「左近、傷は?」
確か背中に火傷を負い、脇腹は槍で刺されていたはずである。
「ああ」
目の前で着物を脱ぎだし、私は頬が赤くなるのを感じた。着物の下からは頑丈な西洋の鎧が出てきた。
「もう少しで貫通するところだった。ちなみに衣服は耐熱防護服だ。これで無事だったのだ。綾女と夫婦になる約束をしているからな、うかうか死ねぬわ」
私は真っ赤になって顔を背けた。左近が私を抱きしめるが、鎧が硬くて痛くてすぐに離れた。
「鎧が痛いぞ」
「す、済まぬ」
その数日後、私と左近は夫婦として結ばれた。
「このような、柔らかい布団の上で綾女を抱けるとは嬉しいぞ」
私は左近の腕の中で、妻として愛される幸せを感じていた。

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