「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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喜平次

深夜。
俺は空を見上げた。
欠けた月、空を横切る巨大な箒星。
もうすぐ影忍どもが来る。俺はここ、二王門で迎え撃つ。
あいつは知らないんだろうな。
俺ももとは人間だったことを。
ましてやあいつの兄だったことも、知らないだろう。
いつもあいつはクールで、俺はそんなあいつが嫌いだった。
だが、この頃は変わったんじゃないのか?
そう、あの女と知り合って、あいつは徐々に熱い男になった。
手馴れているはずなのに、本当に好きな女には不器用極まりない。
思い余ってキスしたら、あのざまだ。
あの時は笑えたな。
仮面を取り、磨き抜かれた刃に自分の顔を映す。
あいつにそっくりだ。瞳は青く、髪は金色だが、つくりは変わらない。
人間としての俺は、里が破壊された時に死んでしまった。
腕が立つ、それだけの理由で永遠の眠りにつくこともできず、こうして妖魔として存在している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
左近、すまなかった。
お前を傷つけてしまった。そのまま動かずにいれば助かるかもしれんが、お前のことだ、きっとあの女を追っていくんだろう。
ああ、青い光が俺の体を溶かしていく。
よくやったな、左近、とうとう目覚めることができたな。
俺もやっと、この忌まわしい体から開放される。
できればお前にはこちらに来てほしくはないが・・・。
先に行っているぞ、左近。
俺の弟。

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