「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 現代版
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願わくは・・5

部屋の電話が鳴る。
モーニングコール・・?
綾女はゆっくりと手を伸ばし、受話器をとった。
「はい」
「左近です」
綾女はドキッとした。夕べのあの人。
「はい」
「起こしてしまいましたか」
「いえ、大丈夫です」
「もしよろしければ、一緒にモーニングをと思ったんですが」
「あ、はい」
「では、7:30に○○前でお待ちしています」
「はい」
電話が切れた。
綾女は受話器を持ったままぼんやりと考えていた。時計を見ると6:30だった。
「いけない」
綾女は飛び起き、シャワーを浴びる。着替えてメイクを済ませると15分前になっていた。
エレベーターに乗り込んでふと思った。
「でもどうして急に・・?」
レストラン前に着くとすでに左近がいた。
「すみません、お待たせして」
「いえ、こちらこそ朝早くからお呼びだてしまいました」
席に向かうふたり。窓際の景色がよく見える席に通された。
「あの、どうして私を?夕べ会ったばかりなのに」
綾女は不思議に思っていたことを聞いた。左近は優しく微笑む。
「またあなたに会いたくなったからです」
「え・・でも・・」
綾女の視線が左近の指輪に止まる。
「これは、古い言い方だと願掛けです。結婚指輪ではありませんよ」
左近は指輪を外した。
「ここに、会いたい人の名前を彫って身につけていると必ず会える気がして、いつの間にか何年も身につけていた」
綾女は左近から指輪を渡されたが、見ようとはしなかった。
「あなたの名前が」
「え?」
左近に言われてみると、自分と左近の名前が彫ってあった。彫りは少し磨耗しており、使い込んできた物らしいということはわかった。

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