「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 現代版
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願わくは・・9

風景は変わらない。ふたりも手を握り合ったままだ。だが、ふたりの中に当時の記憶が急速に蘇る。
「左近、私・・」
悲鳴のような綾女の声。左近は綾女を抱きしめた。綾女も左近にすがりつく。そうしていても不安と切なさはふたりを飲み込んでいた。
息もできないほどさまざまな出来事がふたりを駆け抜けた。
しばらくしてふたりはやっとお互いの力を緩めた。
「私たち、悲しい人生だったのね」
綾女が呟く。その髪を左近はそっと撫でる。
「でもやっと巡り会えたんだ。探し続けていた。綾女をずっと探していた」
「うん」
「もう離れない」
「うん」
綾女はそっと左近を見上げた。愛おしそうに自分を見つめる左近。出会うべくして出会った男性。命をかけて自分を守り、散っていった人がここにいる。
「左近、もう置いていかないでね」
「当たり前だ」
左近は少し笑い、綾女の唇を塞いだ。
左近は蘭丸に連絡を入れた。
「そうか、とうとうか」
「ああ、不思議なこともあるものだ」
「まぁ、そういうこともあるさ。俺は行くまでもないがな」
蘭丸がふっと笑った。
「ところでお前たちにプレゼントがある。お前の部屋に届けておいたから、帰ったら見ておけ」
意味ありげに蘭丸は笑うと電話を切った。

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