京都の冬は底冷えがする。
外に出た左近は、その冷たい空気の中を歩いた。
頭も体も次第に冷え、物事を冷静に考えることが出来るようになった。
・・かわいそうなことをした。・・
まず後悔が先にたった。綾女の気持ちを推し量りもせず、自分の感情だけで出てきてしまった。でもあのままいたらきっと、押し倒して無理に綾女を奪っていた。結局、傷つくのは綾女だ。で、今もきっと傷ついている。
以前の俺なら別にこんなことで悩むこともなかったのにな。
左近は自嘲めいた笑みを浮かべて家路についた。
綾女は自分のおびえがよくなかったと思っていた。
あまりにもうぶで嫌気がさしたのかもしれない。
「でも、これで終わりなんてことはないわよね、左近」
自分に言い聞かせるように、呟いた。
- 現代版
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