夕方になり、綾女は食事のセッティングをした。左近はまだ眠っている。
「左近、ご飯できたよ」
左近に声をかける。
「キスしてくれないと起きない」
目を閉じたまま左近がはっきり言った。綾女は動揺する。左近は目を開け、そんな綾女を見るとくすっと笑った。
「起きるよ。食事の前にシャワー浴びてくる」
綾女のそばを通り抜けていく。綾女はベッドを整えた。
「うまそうだな」
さっぱりした左近が食卓に着く。
「だって今日は左近の誕生日でしょ。23歳、おめでとう」
綾女がグラスにシャンパンを注ぐ。
「もう23か。早いものだ。綾女はまだ飲めないのか?」
「まだよ。来年」
「一人で飲んだってツマンナイから、ちょっと付き合え」
左近はグラスをもうひとつ出すとシャンパンを注いだ。
「え、こんなに?」
「運転もしないだろ?大丈夫だよ」
「もう、強引なんだから」
綾女は笑いながら少しずつ飲んだ。久しぶりの会話。話をしながら食べる食事は美味しい。食事が終わりに近づくにつれ、綾女はどきどきしてきた。
「あ、そうだ、プレゼント」
左近に渡す。男の身だしなみセット。
「これから出張もあるでしょ。そんな時に使って」
「出張か。あるんだよなぁ。行きたくない」
「仕事なんでしょ、仕方ないじゃない」
「綾女と離れたくないからな」
左近が綾女の後ろに立ち、肩を抱いた。左近の温もり。
「い・・つなの・・?」
「GW明けから1ヶ月」
「そう・・どこ?」
「安土」
左近の腕に力がこめられる。綾女は左近の手に触れた。
「私の誕生日は一緒に過ごせるかしら・・」
「帰ってくるさ」
綾女のうなじにキスをした。
- 現代版
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