「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 現代版
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風が舞う時3

左近は佳代に近寄り、サングラスを外して持っている物を見た。
茶碗のかけらのようなもの。
佳代はどきどきして左近の横顔を見つめた。
「茶器だな」
左近は佳代を見た。
「茶器?」
びっくりした佳代は声が裏返ってしまった。左近はくすっと笑った。
「そう。信長は茶事が好きだったんだ。だから道具を持っていた。預からせてもらうよ」
「は、はい」
左近と佳代がやり取りをしている間に、綾女はあるものを見つけた。
「なんだろう、これ。小刀?」
丁寧に細工された柄は長年埋まっていたものとも思えない。そばには太刀もあった。きちんと並べられており、誰かが埋めたものに思えた。
左近はふと振り向いた。綾女がいる場所は地面が脆い場所だった。
「そこ、あぶないっ」
左近はすばやく動き、綾女の手をとって抱き寄せた。綾女が立っていた場所からは、ほろほろと土の塊がこぼれていった。
「あ、ありがとうございます」
綾女が左近を見上げる。二人の視線が合った。
「見つけた・・・」
左近が呟いた。危うく理性を崩さずにいたのは、佳代が近くにいたからだった。いなかったらきっと唇を奪っていた。
「見つけたって、さっきの小刀ですか」
左近は我に返り、綾女を離した。
「小刀?」
「はい、さっき私がいたところに埋まっていたんです。長い刀と一緒に」
左近は綾女の言った場所に用心しながら近づいた。
角度を変えて近づけば地面は大丈夫そうだった。
・・妖刀だ。俺と綾女のものだ・・
「珍しいものを見つけたね。報告してくるからここにいてくれないか」
「はーい」
綾女は返事をした。
佳代が近寄ってきた。
「いいなぁ、綾女。あの人に抱きしめられていたじゃん」
「えー、危なかったから手を引いてくれただけでしょ」
「そうかなぁ」
「そうそう」
綾女は気づかなかったが、左近に出会ったことで記憶のスイッチが入っていた。
「龍馬」
「何だ、左近」
「妖刀が見つかった。俺と綾女のものだ。綾女が見つけた」
「綾女?いるのか?」
「ああ」
龍馬は腕組みをした。
「とにかく確認だ、案内してくれ」

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