龍馬と左近が現場に行くと、綾女と佳代が遠目で刀を見ていた。
「あ」
佳代が目ざとく左近を見つける。
「あの刀、変な音を出しています」
綾女と佳代はぎゅっと手をつないでいた。
・・妖刀が持ち主を見つけて共鳴している・・
龍馬は状況がわかったので、左近に任せることにした。佳代は緊張のあまり気分が悪くなってしまい、龍馬に担がれて山を降りた。
「あの」
綾女が不安げに左近を見る。
「大丈夫。俺が行って来るから君はここにいなさい」
左近は太刀と、小太刀を取った。太刀の共鳴は治まり、左近はじっと胸に当てた。
次から次へ思い出すが、左近は驚くことなく受け入れていた。特に最期の綾女への想いが、前世の左近の思い残しだった。
「あの、大丈夫ですか」
なかなか戻ってこない左近に綾女は声をかけた。振り向いた左近が一瞬忍び装束を着ているように見えて、綾女は驚いた。
「大丈夫。今戻るから」
左近にはただただ綾女が愛おしく映っていた。あの頃と変わらない、まっすぐで純粋な綾女。
「結構重いな。持ってみる?」
「え、いいんですか?発掘したものなのに」
綾女はそう言いながら左近から目を離せずにいた。
小太刀をそっと持つが、意外な重さに綾女は落とさないように抱えた。
「本当、重いですね。昔の人は大変だったんですね」
・・それを振り回していたんだよな、綾女は・・
左近はくすっと笑った。
「もう夕方だ、戻ろう」
「はい」
綾女が持った小太刀も共鳴が治まっていた。
- 現代版
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