「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 現代版
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符合4

綾女は面談の結果を龍馬に報告し、包帯の交換をするために看護師と病室を訪れた。
「日向さん、包帯を取り替えます」
病衣を脱がすと左近の逞しい体が現れ、まだ若い看護師は頬を染めた。綾女は意に介さず、傷の具合を確かめる。化膿もなく、きれいに縫合されている。体に溶け込む糸を使ったため、抜糸の予定はない。
「微熱はまだあるけれど、傷のせいでしょうね。明日から少しずつ体を動かしていいですよ」
包帯を巻き終わると、左近が綾女を呼び止めた。看護師に先に行かせ、綾女は座った。
「いつくらいで退院できる?」
「あと2,3週間ですね・・」
「そんなにかかるんだな」
左近はため息をつき、傷の痛みに顔をしかめた。
「綾女」
左近の手が綾女の唇に触れる。そういえば、この人は会ってすぐに私の名前を呼んでいた。
「なぜ、私の名を?」
「ネームプレート」
確かにプレートには顔写真つきでフルネームが書いてある。だが普通は名字を呼ぶだろう。左近は綾女の唇をなぞった。手馴れたような仕草。
「寝ていないのか?」
「当直だったから・・」
「俺のせいで、すまないな」
「それが仕事だから。まだ研修医だけど」
綾女は微笑んだ。左近の指が唇から離れた。
「もう帰って寝るんだな。ありがとう、綾女」
左近は目を閉じ、すぐに眠りに落ちていった。

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