「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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はじめての・・・

明日からは新学期。
綾女はひそかに楽しみにしている。
学校に行けば、自然と左近に会えるからだ。
いちおう付き合っていることになっているが、あまり会うことがなく、綾女は何となく寂しい思いをしていた。
「おはよう」
「ああ、おはよう」
左近の家の前で待ち合わせをし、一緒に登校する。
そんなイメージも、左近の部活の朝練で一度も叶えられたことはない。
「あーあ、つまんないの・・・」
少し俯きながら歩いていくと、肩をぽんと叩かれた。
「綾女、おはよう」
ジョギングしながらの左近だった。汗がきらりと光り、綾女は一瞬見惚れてしまう。
あんなにかっこよかったけ・・。
左近を見送る綾女はまさしく恋する乙女。その姿から目を離せない男子もいることに綾女は気がついていない。
「左近、一緒に帰れる?」
「悪い、俺部活なんだ。週末試合だし」
言いながら左近は綾女の表情が一瞬悲しげになるのを見逃さなかった。
「そっか、頑張ってね。あとでメールする」
明るく振舞って綾女は左近に背中を向け、そのまま走り去る。その場にいたらきっと涙が出そうだったから。
公園まで一気に走り、綾女はベンチに腰をかけた。汗をハンカチでぬぐい、大きなため息とともに空を見上げる。
「しょうがないよね。左近は大将戦に出るんだもの。わがまま言えないわ」
「そんなことはないぞ」
長身の男性が綾女の隣に腰をかけた。汗をにじませた左近。
「左近、部活じゃないの?」
「休み!」
「でも試合近いんでしょ?」
「俺が決めた。今日は休み。というか、綾女足が速いな・・っ」
綾女は左近に抱きついていた。昼間、それも外で綾女がそういう行動を起こすことはなかったから、左近は驚いた。
「左近、大好き」
綾女の唇が左近の唇に重ねられた。綾女からするキスは初めてのことで、左近はさらに驚いた。
「あ、綾女?」
左近の声に我に返り、綾女は真っ赤になった。そんな綾女が可愛くて左近は抱きしめた。
「寂しかったんだろ、ごめんな」
「ううん、いいの。でも嬉しい」
綾女はそのまま左近の逞しい体に腕を回した。久しぶりに感じる左近の体温と鼓動。
その夜は互いに肌を重ね、体温を確かめ合った。

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