「さっび〜〜〜」
俺は布団の中でひとつくしゃみをした。まだ外は暗い。
今日は終業式。そしてクリスマスイブ。そしてそして・・・へへっ。
長々と校長の話だか訓戒だか愚痴だかを聞き流し、教室に戻って成績表を手渡される。見なくてもわかるさ。
それが終われば帰るだけだ。
「綾女」
「うん・・じゃああとでね」
少しはにかんだ彼女はやっぱりかわいい。誰もいなければ抱きしめていたぞ、こいつめ。
ショッピングセンターで待ち合わせをした。早めに来ていた綾女は、遠目でもすぐにわかった。俺の好みのミニタイトをはき、タイツで覆われた足はきれいなラインをしている。ナンパしたそうな輩が周りにいるが、受け付けない雰囲気を綾女は出していた。
「待ったか?」
「ううん」
俺が行くと、輩が羨望の眼差しを向けた。へへ、いい気分だぜ。
「なに笑っているのよ」
綾女が軽く睨む。すでに俺の心の中はお見通し、だな。俺は黙って綾女を抱き寄せた。
「明日まで一緒だからな」
瞬時に綾女の顔が真っ赤になった。なにを考えたんだか、俺にも丸わかりだ。
それでも食料品売り場に行くと、綾女は手際よく食材をかごに入れていった。ケーキの前で少し悩んでいたが、結局買っていた。
「オーブンでチキンを焼こうと思ったの。あまり時間もないし、今年のケーキは既製品だわ」
綾女の家に行く。
着いたとたんに綾女はエプロンを着け、てきぱきと作り始めた。そんな綾女を見ながら、俺はクリスマスツリーの飾り付けをしていた。
次第にキッチンからいい匂いがしてきた。
「できた?」
綾女がひょこっと顔を覗かせる。俺はツリーの電源を入れた。キラキラと煌くイルミネーション。
「きれいねぇ」
俺は返事の代わりにキスをした。
食後、俺は綾女の後ろに回った。
「なぁに?」
「いいからいいから」
そっと細い鎖を綾女につける。鎖骨に沿って鎖は光った。
「きれいなネックレス・・ありがとう」
大人への階段をのぼりはじめた綾女には、よく似合っていた。
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