涼しげな湖のほとりのコンドミニアム。
「わぁ、素敵ね!」
女性ふたりは嬉々としている。男性ふたりは重い荷物を持たされ、汗だくだ。
8月も終わりに近づき、泊まりがてらバーベキューをしようと、佳代が言い出し、それに綾女が乗ってきた。
当然荷物もちには相方を連れ込む。
左近は少し渋い顔をしたが、綾女の上目遣いにやられ、承諾した。もちろんその晩は綾女を心ゆくまで堪能したのは言うまでもない。
到着した湖からは、山も見えた。
「ちょっと休んでから支度しましょう」
女性ふたりはキビキビと動き、買いだして来た食材を冷蔵庫にしまった。
部屋は二部屋。両方ともツインベッド。それぞれのカップルで使うことになった。
「綾女さん、ちょっと確かめたいの。そっちの部屋にいてくれる?」
佳代はもうひと部屋に入り、大きな声を出した。
「どう?聞こえる?」
「あんまり聞こえないみたいよ・・。何を確かめたの?」
「聞こえないならよかったわ。うふふ」
佳代の答えに綾女は察し、顔を赤くした。
日が傾きかけ、バーベキューの準備に入る。
火を熾しながら龍馬は景色を眺めていた。
「いい景色だなぁ。来たかいがあった」
「そうだな」
煙にむせながら左近は団扇を動かす。片手にはそれぞれビールを持ち、飲みはじめていた。
「どう?火はついた?」
佳代がひょこっと顔を出した。トレーにいっぱい乗せた串。それを龍馬に手渡し、また次のトレーを持ってきた。
「ほらほら、焼かないと」
とうもろこしや味噌を塗ったおにぎりが盛られている。
「準備できたわよ、はい取り皿」
綾女も紙コップや紙皿、たれ、箸や布巾を持って現れた。
「うまい」
焼きあがった串をほおばる左近。嬉しそうに見つめる綾女。
「おいしいわね」
佳代はビールを龍馬についでいる。
たくさん準備した食材はあらかたなくなり、今は静かにおにぎりを焼いている。
「これで終わりよ。おいしかったわね」
熱々のおにぎりを食べながら、綾女が満足そうに言った。
片づけが終わり、おのおのシャワーを浴びてくつろいでいた。
よく冷えたワインを飲んでいる。
「明日帰っちゃうのは何だかもったいないわね」
佳代が残念そうに言った。
「仕方ないだろう?店もそんなに休めないんだから」
龍馬が優しく答えた。佳代とじっと見つめあう。そんなふたりを見て、綾女は落ち着かない気分になった。ちらっと左近を見ると視線が絡まる。
「私たち、もう休むわね。おやすみなさい」
佳代と龍馬が部屋に消えると、綾女は左近から逃げるようにワインとグラスを片付け始めた。すぐ後ろに左近の気配が感じられる。
「俺たちも休むぞ」
言うなり、左近は綾女を抱き上げた。お姫様抱っこで部屋に入る。そして当然のように綾女と同じベッドに身を潜らせた。
「左近」
綾女の唇を、左近の人差し指が押さえた。
「しっ・・聞こえるな」
耳を澄ますと、佳代の声らしき声が聞こえた。すでに甘くとろけているような声だ。ベッドのきしみも聞こえてくる。
左近は嬉しそうに綾女に囁いた。
「俺たちも聞かせてやるか?」
綾女は青くなって首を横に振った。
「いやよ、恥ずかしいじゃない」
左近は綾女の髪をほどいた。シーツに広がる髪を左近は指で絡め、空いた手で綾女の服を器用に脱がせていった。
押さえようとすればするほど、綾女の声は出てしまう。いつもと違うシチュエーションに綾女は高揚していた。体が見事に反応し、左近をこの上なく悦ばせる。
何度となく高くのぼりつめ、左近の熱を受け入れて綾女は意識を飛ばした。
翌朝。
スッキリした顔の左近、龍馬、佳代。いまひとつ眠気から醒めきれない綾女。
帰りの車でも助手席で眠っている綾女を見て、左近は愛おしく思った。
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