昨日のような出来事なのに。
左近の熱い体がゆっくり離れる。
優しい瞳。
「綾女」
愛おしい声。
左近の唇がそっと重なり、綾女はうっとりと目を閉じた。
安土襲撃前夜の出来事だった。
そう、昨日の出来事のように。
愛した人。
今でも愛している人。
そして・・・。
綾女は熱い呼吸のもと、男児を出産した。
取り上げられた子供は、左近にそっくりだった。
「左近・・あの時の子供・・」
疲労で綾女は眠りに落ちていった。眠りに落ちる寸前、左近の顔が見えた。
・・よくやったな、綾女
・・左近・・
左近に抱きしめられたような気がした。
綾女は産んだ子を胸に抱いていた。
すやすやと眠る、左近との愛の結晶。
綾女はそっと頬を寄せ、左近への想いを馳せていた。
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