「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 時を超えた絆
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筆3

綾女の運転で、綾女の会社に向かう。
「森編集長、原稿が上がりました」
「おう、綾女。早いな。ちょうどいいところに来てくれてよかったよ。この企画、今日中に書き上げてくれないか。それから・・」
綾女の後ろから長身の男性が静かに睨む。編集長はにやっとした。
「左近、お前が作家か」
「笑わせるな、蘭丸」
「そうかそうか、とうとうくっついたのか。綾女、今日は休みでいいぞ」
「ありがとうございます。じゃっ」
そそくさと左近を引っ張り、車に戻る。
「危ない危ない、さっさと行かないとまた呼び止められるところだったわ」
「あいつも生きていたんだな」
「会った時はびっくりしたわよ。性格はあのまんまだから、すぐに慣れたけどね。ご飯どうする?」
「そうだな、久しぶりに綾女の手料理が食べたい」
「はーい」
午前中のうちに帰宅したふたり。左近はほっとしたが、もちろん仕事が終わったわけではない。第2部、第3部、外伝も書かなければならない。締め切りはそれぞれひと月ごとに設定されている。
「ねぇ、焼き始めるよ」
「ああ」
ジュー・・・・
「これで冷蔵庫の中のもの、使いきったわよ」
キャベツ、人参、モヤシ、ねぎ、わずかな豚肉、固くなりかけていたチーズ・・・
そう、お好み焼き。
「左近が原稿を書いてくれたおかげで助かったわ。明日は給料日だし」
熱々のお好み焼きを切りながら綾女が話している。
「外伝は何を書くの?」
左近は目で笑った。その笑みに綾女は目をそらしたくなった。
「やっぱりソレ?ソレなの?」
「どうかな」
「嫌よ、私。そんな赤裸々にされたら、恥ずかしい…」
「誰もノンフィクションなんて思わないさ。できのいい仮想小説だと思うだけだよ」
「そうかしら」
「だから心配ない・・・それよりも・・今宵・・」
綾女は左近の誘いに、恥ずかしがりながらうなづいた。

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コメント

    • かおり
    • 2008年 5月 28日 1:01am

    紅梅様お久しぶりです。こんばんは☆
    新しいお話が始まりましたね。左近が作家 綾が編集者 蘭丸編集長という設定が新鮮で驚きました。作家左近の飄々としたところがいいなぁ^^ でもおにぎりに彼の優しさが滲み出てますね。彼は、言葉じゃなく行動で愛情を示しますものね♪ 味噌醤油包丁の下りは、思わず笑ってしまいました^^ 
    「筆」のお話は何回読ませて頂いても、和みます。何気ない日常のなかこそ幸せがあるんでしょうね。。。。

      • 紅梅
      • 2008年 5月 28日 10:00pm

      こんばんは。遅くまでお疲れ様です。
      味噌・・・のくだりは古典落語にあるんです。どのお話だったかな。
      貧乏で能天気な主人公と、年を越せないとぼやくおかみさんとの掛け合いを思い出して使ってみました。
      「筆」は、「光」シリーズの続編のイメージです。これからこの3人をどうやって絡ませていこうかと楽しみです^^

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