カララン♪
佳代のお店のカウベルが音を立てる。
「綾女さん、待っていたわよ。あら、左近さんも一緒?相変わらず仲がいいわね」
「ど、どうも〜〜」
左近は愛想笑いに慣れていないので、少々引きつってしまった。
「この間おいしいって言っていたコーヒー豆ね、他のお客さんにも喜んでもらっているのよ。だからメニューに入れたの」
「あら本当に?嬉しい」
つい言ってしまって、綾女は慌てて口を押さえた。顔も声も左近なのだ。
「え?」
佳代も振り向く。
「・・って綾女が」
左近も引きつりながら頷く。
「佳代さん、すまない。綾女は風邪で声が出にくくて。でもおいしいコーヒーが飲みたいって言うからつれてきたんだ」
「あら大丈夫?また左近さんに夜中可愛がられちゃったりしてたんでしょ。もう、お熱いんだから」
また佳代は背中を向けてコーヒーを淹れはじめた。
「おい、そんな話ここでしているのかよ」
「していないわよ。案外鋭くって私もびっくりすることあるんだから」
ひそひそ声ですばやく会話をする。
「できたわよ〜〜。うちの新メニューのコーヒーよ」
「いい匂いだな」
ふたりでおいしそうにコーヒーを飲む。左近はブラック、綾女はいつもどおりにミルクを入れる。
「おかしい」
佳代が鋭く呟いた。
「綾女さん、ミルク派だったわよね。左近さんはブラック。どうしたの?何か隠しているでしょ」
佳代はやっぱり鋭かった。
- 時を超えた絆
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