「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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君を慕いて・・5

龍馬、左近、綾女の3人が傷を癒してから葉隠れに戻ったのは、もう秋も深くなる頃だった。
「遅かったので心配していましたのよ。ご無事で何よりです」
桔梗が出迎えた。傷は癒えていたものの、左近と龍馬は体力の消耗も激しくすぐに床に入った。
綾女はゆったりと湯に浸かった。体の埃を洗い流す。体のあちこちについた刀傷。白い肌のためあまり目立たないが、近くで見るとケロイド状になっている箇所がいくつもある。
「あの2人が私を庇ってくれていたから、これだけで済んだようなものだ・・」
左近と龍馬に深く感謝した。龍馬は顔面から腕にかけての火傷、左近は背中の火傷と左脇腹の貫通。綾女の必死の手当で何とか命を取り留めることはできた。だが左近の貫通した傷はなかなか塞がらず、綾女は何日も寝ないで看病をしたものだった。
「よかった・・」
綾女は両手で顔を覆った。細い指の間から涙が零れ落ちた。
数日後、やっと体力が戻った龍馬は里の長として働き始めた。
「綾之介殿。実はわしらが安土に行っていた時に、香澄の里から来たという男が来て、ぜひともわしらに会いたいと言っているそうだ。会ってみるか?」
「香澄から?」
綾女はどきりとした。懐かしい思いが蘇る。
左近も同席している中、その男が呼ばれて座敷に入ってきた。
「お初にお目にかかります。香澄の高久と申します」
「わしは龍馬。ここの長をしています」
「私は日向の左近と申します」
次々と自己紹介をしていく中、綾女は声が喉にくっついたように出なかった。
「香澄の・・綾之介と申します」
高久の瞳が綾女を捉えた。だが何事もないように頭を下げ、そのまま龍馬に向き直った。
話は安土のことや妖魔のことにわたり、葉隠れでの妖魔対策についても話し合われた。

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