「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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再会3

「ご飯よー」
まるで下宿のように、佳代の声が響き渡った。
わらわらと輩がダイニングに集まる。
「今日だけかしらね、みんなが顔を揃えるのは。そう思ってスペシャルにしてみたわ」
陣平と桔梗、夫の龍馬にも手伝ってもらい、佳代は手際よく料理を作り上げた。
「さすが喫茶店のママさん。うまいな」
蘭丸が舌鼓を打つ。
そのそばで黙々と食べている香澄を、左近はちらちらと見ていた。一見美青年だが、やけに線が細い。女性だとしたら相当の美女だ。だが最近はこういう若手が増えてきているし、いっそのことヒゲでも生えていればいいんだが・・・。
気になってあまり何を食べたか覚えていない左近だった。
「私、片付けますよ」
膨大な洗い物を前に、香澄は涼しげに微笑んで、佳代をねぎらった。
「ごめんなさいね、明日の仕込をしなきゃいけなくて」
佳代は龍馬を引っ張って喫茶室に行った。
「さて」
上着を脱ぎ、腕をまくり、お盆にお皿を乗せてシンクに運んでいく。
「俺も手伝うよ」
左近も腕をまくり、テーブルを拭く。洗い物を始めた香澄の横に移り、次々と皿を拭いていった。
見え隠れする白いうなじ。左近は目を奪われていた。
「香澄さん」
「はい」
左近は少し声が上ずるのを懸命に抑えた。
「下の名前は?」
香澄の手が一瞬止まった。なぜ?と訝しげな目が左近を見る。
「どうしてそんなことを聞くんです?」
最後の皿を水切り籠に置き、香澄はシンク周りを丁寧に拭き上げた。
「契約書に書きましたけど」
左近が拭いた皿を食器棚にしまうと、香澄は軽く会釈をして部屋に引き上げていった。
「そうだ・・・そうだった・・・」
左近は急いで部屋に戻った。

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