憧れの人。
けして結ばれない、結ばれてはいけない人。
けれどそれゆえに恋心は募る。
左近は幼い頃、姉とともに日向の里に置き去りにされた子だった。
左近はまだ乳飲み子だった。
姉は左近が3歳の時に忍びの掟によって裁かれた。
年の離れた姉は左近を懸命に育てていたが、ある男と恋に落ちた。
その男は日向の里の人間ではなかった・・・。
幼心にも姉の優しい笑顔と、掟に裁かれた時の姉の姿が焼きついている。
育てる人がいなくなった左近を不憫に思ったのか、または左近が将来発揮する力量を見つけ出したのか、里長が左近を引き取った。
そこに、憧れの人がいた。
面差しがどことなく姉に似ており、優しい少女だった。
名を、春香といった。
- HIT記念
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