「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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大好き8

「待たせてすまなかったね」
走ってきた割には静かな声で息も荒くなっていない。それに速かった。
「足、速いんですね」
「昔野山を走り回っていたからね」
「ふーん。どこ出身なんですか」
「加賀の国。わかる?」
「加賀友禅ですね。石川県?」
「当たり」
左近は綾女をゆっくりエスコートしていた。お勧めのお店に着く。
落ち着いた雰囲気のお店を綾女は気に入った。
「ここ、雑誌で紹介されていたレストランですね。パスタが美味しいの」
綾女はニコニコしていた。
「俺の番号、登録してくれた?」
「もちろん・・」
元気よく返事をして、綾女は顔を赤くした。おそらく嬉しさいっぱいの表情だっただろう。左近は微笑んだ。
「ありがとう。俺も君の番号を登録したよ」
「あ、ありがとうございます」
綾女は胸が高鳴った。憧れていた左近と急にお近づきになれて夢みたい・・。
「あの、どうして私を?」
左近はまじめな顔になった。綾女も慌てて姿勢を正した。
「なぜか、初めて会った気がしないんだ。とても懐かしくてそばにいると安心する。だから会いたいと思った」
左近の静かな声が綾女の心にしみこんでいった。
「綾女、と呼んでいいかな」
「はい・・」
綾女は嬉しさのあまり涙がこぼれそうになった。左近の長い指が優しく涙をぬぐう。
「やだ、私ったら・・」
照れくさそうに綾女が笑う。その笑顔も左近は眩しげに見つめていた。
「あの、私も左近、て、呼びたいな・・なんて」
「いいよ」
「いいの?嬉しい」
綾女は嬉しそうに微笑んだ。
やっぱり笑顔が一番似合うな・・。左近は愛おしそうに綾女を見つめていた。

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