翌朝、綾女は心地よいぬくもりの中目が覚めた。
「左近」
左近はずっと綾女を抱いたまま寝ていた。おそらく手がしびれているだろう。
「やだ、ごめんなさい」
綾女が体を起こすと、しびれているはずの腕がすっと伸びて綾女を絡めとった。また左近の腕の中に戻ってしまう。
「もう少しだけ」
左近が寝言のように呟き、また寝息を立て始めた。
「かわいい」
そして顔を触ろうとして手を止めた。昨日の朝はキスまでして、朝からあんなことこんなこと色々されちゃった。やめておこう・・・
綾女はそっと起き出し、着替えて朝ごはんの支度をし始めた。
昨日残ったフランスパンの残りで簡単なピザを作った。それとコーヒー。
左近はまだ寝ている。髭が少し伸びてチクチクする。
もう8時。
「左近、もう8時だよ」
左近は眩しそうに目を開けた。綾女の姿を視界に入れると、呟いた。
「もうそんな時間か」
そしてうんっと気合を入れて起き上がる。前髪がサラッとかかり、色っぽい。
「ご飯作り始めるよ」
エプロンをつけた綾女。タイツにマイクロミニのタイトスカート。前世でもそうだったが、綾女はきれいな足のラインをしている。
左近は顔を洗い、髭を剃った。綾女の後ろに立ち、抱きしめる。
「おはよう」
うなじに赤いしるしをつける。
「やだ、もう朝から」
綾女は耳まで真っ赤になっている。トースターがチンとなる。
「あ、ほらパン焼けたから食べようよ」
その場からするりと抜け出し、テーブルに並べた。
「明日の朝には帰る」
唐突に左近が言った。
「そう」
綾女は答えてコーヒーを飲んだ。急にさびしさがこみ上げてきた。長く一緒にいればいるほど、別れが辛い。特に今回は3泊4日。今までで一番長い。
「でも、年明けにはまた会えるよね」
寂しさを表に出さないように言う。でもきっと左近は鋭いから気づくだろう。
「そうだな、会えるな」
綾女の気持ちを察して明るめの声で答えた。
- 現代版
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