また夢を見た。
寒い暗いところで、不意に唇を奪われる。
突然の出来事で思わず叩いてしまったけれど、その唇の感触は今でもリアルに思い出すことができる。
少し乾いて、でも熱い。切なさにあふれた…。
逢いたい。
あなたに、もう一度逢いたい。
あなたに伝えたいこと、話したいことがまだたくさんあるのに。
そっと唇が重なる。
あの時と同じ感触。
「どうした?」
甘く低い声…。
繊細な指で私の頬に流れた涙をぬぐう。
私は彼の背に手を回す。
触れるとわかる、背中のやけどの痕。左腹部の引き攣れた大きな傷痕。
回復するまで時間がかかったが、こうして愛おしい人が私を抱きしめている。
「嬉しくて」
彼は黙って私を抱きしめた。
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