「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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山頂で

「結婚しよう」
数百年ぶりに再会できたと思ったら、いきなり左近はそう言った。
「は?」
広い胸に抱きしめられる。
綾女はなされるがままになっていた。その意味をどう取り違えたのか、左近は承諾したと思い込んだらしい。
「じゃあさっそく」
まじめな顔になったかと思うと、綾女をお姫様抱っこしてベッドに運んだ。
「ちょ、ちょっと、なによ」
「まぁまぁ、いいじゃないか。検査検査」
耳元で甘く囁かれると、私も抗えない。
「何の・・検査よ?」
スカートの上からお尻を触られ、綾女は驚いた。そのままストッキングの上から太もも、ふくらはぎに左近の手が滑っていく。
「やぁ・・」
無意識に体がぶるぶると震え、熱くなる。
「よし」
左近が離れた。綾女はすでに火照り始めた体を置き去りにされ、潤んだ瞳で左近を見る。
「あの頃と変わらない筋肉だな。これなら大丈夫だろう」
「筋肉?あの頃?」
左近は地図を広げた。中の一点を指差す。
「明日、ここで式を挙げるぞ」
そこは・・・富士山の頂上だった。
「明日??何でまたわざわざそんなところで挙げるのよ」
「決まっているだろう。日本一の俺の嫁にふさわしいのは綾女だからだ。だから日本一高いところで愛を誓う。道理だろう」
「訳のわからないことを・・」
もう左近には綾女の言うことなぞ聞こえず、さっさと準備をし始めていた。
「ねぇ」
「ん?」
高速を疾走する車の中で、綾女は尋ねた。
「何で会ったばかりなのに翌日に結婚なの?」
「ずっと好きだったからな」
左近の端正な顔が恥ずかしげに染まる。綾女はドキンとしてしまった。
「だから、出会ったら絶対結婚すると決めていた。お前もそうだろう?」
なんという思い込み。でも否定できない。綾女も、左近が好きだと気づいていたからだ。
「それとも、嫌か・・・?」
「ううん、いいの、私も・・」
それ以上言えなくて、綾女は左近の肩に頭を乗せた。左近の左手が優しく髪を撫でた。
数時間後。
影忍のように登山道を駆け上がるふたりを、人は驚いて見ていた。
「綾女、よくついてこられるな」
「左近こそ、少し鈍ったんじゃない?」
平然と会話を続ける。
だが、富士山はやっぱり高かった。酸素の濃度がだんだん薄くなり、9合目を過ぎる頃には小走り状態まで足が遅くなっていた。
「やっと着いたな。着替えるか」
山頂でタキシードとドレスに着替えるふたり。その日は幸いにも風が弱く、天気もよかった。
「わぁ、花嫁さんよ」
「きれいねー」
登山客の賛辞の声を聞きながら、ふたりは熱い口づけを交わした。小一時間モデルになったりして山頂で過ごし、また着替えて下山した。
海が見える旅館の一室。
お風呂から出たふたりはもりもりと夕食を食べていた。
「おいしいわねー、やっぱり体力を使ったのね。海の幸がおいしいわ」
「綾女、食べすぎじゃないか」
「平気平気。体力を使った分補給しないと」
左近も綾女と同じ早さで皿を空にしていく。
「<特選 大盛りスペシャルセット>にしておいて正解だったな」
「そうねー」
・・・結婚してしまったけれど、これは食費が大変だ。
ひそかに左近はため息をついた。

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コメント

    • 希仁
    • 2009年 10月 27日 12:40am

    さ、左近様、ふっとびすぎです
    w(゜o゜)w
    でも、ちゃんと山頂まで走り抜けちゃうふたりが素敵
    新婚旅行のあとは、もりもり稼いでもらわないと!!!
    あと、おくればせながら、昨晩、123456HIT♪
    おめでとーございます?
    (いえ、私はふめませんでした。すでに123458だったんです
    (T_T) )
    これからも、LOVEなふたりのおはなし、楽しみにしております
    o(^-^)o

      • 紅梅
      • 2009年 10月 27日 11:36am

      ぶっとび左近ですよね~。
      何だかんだと言いつつも、綾女もついていくところがいいです。
      信長の時代、その頃の人は1日5合、戦中は1升お米を食べていたそうです。それだけの活動量があったんですね。だから綾女も左近もモリモリ食べています。で、左近は綾女も食べちゃいますvv
      お楽しみに^^

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