「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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桜色

桜の満開の便りがあちこちから届く。
世間は花見で色めき立っているが・・・。
綾女、家出中。
それを知った蘭丸や喜平次が左近のもとへ押し寄せてきた。
「何だよ、お前ら」
喜平次は左近の胸倉をつかみかからんばかりの形相だ。
「何だよじゃねぇっ!綾女に何をしたんだ!」
「喜平次、やめろよ。左近のことだ、またとんでもなく綾女が恥ずかしがることをしたんだろう」
蘭丸の言葉は火に油を注いだ。
「俺、今から仕事だから」
左近は沸騰した喜平次を巧みに避け、そそくさと出て行ってしまった。
「喜平次、落ち着け。左近は鍵をかけ忘れている。俺たちで綾女が家出した理由を探そうじゃないか」
「あ、ああ・・・」
リビングに飾られてある写真は、仲睦まじいふたりの物だらけだった。中でも少し大きめのパネルには、式を挙げたときの写真。
「綾女、やっぱりきれいだよなぁ・・・」
ふたりして感嘆してしまう。凛とした中でも初々しい笑顔の綾女。左近と見つめ合って微笑む綾女。永年の想いが結ばれた写真だった。
整然としたリビング。DVDの棚があり、そこにはぎっしりとDVDが詰まっていた。
「なんだこれ・・・。ふたりのメモリアルDVDかよ・・・」
ちょっとした散歩や雪が降った日など、小さなことでも左近は記録に残している。被写体は主に綾女だ。
「おい、ここにこんなに細かくあるってことは、左近のことだ、夜のことも詳細に記録しているはずだ」
喜平次が蘭丸に囁く。
「ああ、違いない。綾女は左近が初めてだからな、その変わりぶりを左近が楽しむのは当然だろう」
蘭丸が目を光らせる。
1時間後。
「おかしいな、絶対あるはずなんだがな」
「パソコンの中か・・。見てみるか」
蘭丸が探し始めた。だが左近が運営しているサイトの関連か、時々綾女が使ったもの以外には何も出てこなかった。
「じゃあ、何が原因で綾女は家出したんだ?」
「待てよ、リビングと寝室だけしか見ていないぞ。あと見ていないところを見るんだ」
さらに1時間。
「風呂場にトイレ、玄関、台所、見たぞ。あとは綾女の部屋なんだが・・・」
「聖域って感じだよな」
「でも左近の奴なら、綾女の留守中に必ず1回は入るはずだ」
「そうだな」
書斎とクロゼットの綾女の部屋。膨大な資料はきちんと整理されている。そしてクロゼット。
「この箱、何だ・・・おおっ」
蘭丸の声に喜平次が見ると、綾女が着用するであろうランジェリーが詰まっていた。
「これ、あの綾女が着るの?これ着て左近と?綾女が買ったのかな、左近が買って着させたのかな」
「知るかよ・・・」
しばし目の保養をして、ふと部屋の隅に乾燥スペースがあるのを見つけた。
「・・・お宝じゃん」
中を覗いたふたりは含み笑いをした。綾女の洗濯した下着がそこに干してある。先ほどのランジェリーが色とりどりで温風に揺れている。普段身に着けている下着も、少しエロティックだ。
「絶対ベージュ系だけじゃないと思っていたけど、こういうのを着るんだなぁ。生地がデリケートだから手洗いだよなぁ」
「ああ・・・サイズも確認しちゃったぜ。でもいいよなぁ、左近は」
ふたりは羨ましがりながら家を出た。
左近帰宅。家の中を見回す。
「やっぱりあさっていったな。綾女の部屋にも入ったか」
ソファの座面を持ち上げると、そこにはぎっしりとアルバムとDVDが詰まっていた。
「ここまでは探さなかったようだな。これは綾女にも内緒だからな」
今回の綾女の家出の原因でもある、その左近のお宝。被写体はすべて綾女。
「そうなのよ!もうびっくりよ」
綾女が佳代に愚痴っている。
「左近があんな趣味を持っているなんてうんざりだわ」
言いながらアルコールを飲み、綾女は酔っ払っていた。
「綾女さん、そこそこにしておかないと、あなた弱いんだから」
佳代の制止に綾女は微笑んだ。
「飲まずにいられますか?私は左近が好きよ。こんなに好きになって愛されるのも初めてなの。でもね、あの時の私は理性もなくって、すごく醜いのよ。それまで撮られるのは嫌なの・・・」
そしてカウンターに突っ伏して寝てしまった。ミニタイトのスカートからはきれいな足が出ており、ストッキング越しに足までほんのりと色づいている。
「綾女さん、最後にはいつも寝ちゃうのよね・・・。あ、左近さん?もう仕事終わったでしょ。綾女さんがお店に来ているの。迎えに来てあげて」
10分後。息も荒げず左近が店に来た。
「連絡すまなかったね。綾女は?」
カウンターに伏せている綾女。
「さっきまでお酒飲んでいたの。車で来たんだけど、ずいぶん愚痴言っていたわよ」
「どれくらい飲んだんだ?」
「梅酒サワーが2杯。それだけよ。綾女さん弱いから、かなり薄くしたんだけど・・・」
「迷惑かけたな。綾女、帰るぞ」
その声に綾女は体を起こすが、またふにゃっと突っ伏してしまった。
「綾女さん、言っていたわ。理性がないときは撮らないでって。わかるでしょ、この意味」
「そんなことを言っていたのか。世話になったね」
綾女を軽々とお姫様抱っこする。
「左近・・?好き・・」
綾女は呟いて、左近に身をすり寄せ、甘えた。佳代も龍馬も真っ赤になるが、左近はいつものことのように、綾女に軽くキスをした。
「じゃ」
綾女を乗せて車が走り去ると、佳代はお店を閉めた。
「まだ早い時間だろ」
「いいの、あなたと一緒にいたくなっちゃったの」
触発されたのか、佳代も龍馬に甘えた。
帰宅後。
起きた綾女は身支度を済ませ、リビングに入ろうとした。
左近は綾女が嫌がったDVDを再生していた。
「綾女、来てごらん。こんなに綺麗なんだ」
理性もおぼろげになり、左近を求める綾女。その表情は愛らしく、色っぽい。
「これが私なの?」
「そうだよ。どこを見ても綾女は本当に綺麗なんだ。だから、撮ってもいいか?」
画面の中の綾女は甘い声とともに体を痙攣させている。左近が離れ、体が弛緩しても綾女の恥ずかしげな顔は可愛かった。
「綺麗ね・・・」
綾女の顔が優しくなった。左近はテレビを消し、綾女を抱き上げた。
「だからといって、演技はするなよ。素の綾女が綺麗なんだから」
「うん・・・」
そして夜は更け、桜色に染まった綾女を左近は愛した。

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