「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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陣平の合点

夜の縁側。
ひとり綾之介様が座っている。
しきりに首や肩を回し、すっきりしない顔だ。
「綾之介様?いかがされました?」
「あ、ああ。背中や肩が張ってな」
夜着姿の綾之介様は、やさしく微笑んだ。
ドキン♪
なんだろう、すっごく可愛い。男の方のはず・・だよな。俺、危ない方に方向転換しちゃったのかな。
「よ、よろしければお揉みしましょうか」
「いいのか?すまぬな」
俺は綾之介様の後ろに回った。そっと肩に手を添える。見た目よりはるかに細く華奢な肩。俺はドキドキしながら揉みはじめた。
「凝っていますね」
「そうか。慣れないことをしたせいだな」
うなじからほんのり甘い匂いがする。
肩から背中、腕にかけて揉みほぐす。
「あ・・そこ・・」
綾之介様が甘い声を出した。凝り固まったところを集中してほぐしていく。
「陣平。何をしている」
冷たーい、左近様の声。ものすごい殺気を帯びている。
「左近、いいではないか。陣平に按摩をお願いしていたところだ。とてもうまいぞ」
うっとりした声で綾之介様がフォローしてくれるが、左近様はますます殺気だった。綾之介様の凝りはすっかりほぐれていたので、俺は慌てて離れた。
「陣平。ありがとう。とても楽になった」
にっこりと綾之介様は笑ってくれたが、左近様が割って入った。
「もういいだろう。あとは俺が」
綾之介様の顔色が変わった。
「いやだ、左近」
しっしと左近様で手で払われては、俺はその場を離れるしかなかった。
「綾女、俺が気持ちよくしてやる」
「いや、だめだ、左近は・・ん・・」
衣擦れの音がかすかに聞こえる。
やがて・・綾之介様の蕩けたような甘い声が切れ切れに聞こえてきた。
「ここが気持ちいいだろう」
「ん・・はんっ」
水音も聞こえてきた。
「ああ・・っ」
綾之介様の声が高く響くとそれっきり何も聞こえなくなった。
翌朝。
部屋の障子が少し開いており、そこから黒髪を打ち流した綾之介様の背中が見えた。いくつも赤いあざが見える。
「陣平か」
気配もなく左近様が現れた。胸元をはだけた夜着。そこには赤いあざがふたつみっつついていた。
「こういうことだ。わかったか」
不敵な笑みを浮かべる。
・・俺の女に近づくな・・
そう意味だろうけど。俺はなぜか嬉しかった。左近様も綾之介様も想い合っているということがはっきりとわかったからだ。
でももう少し、思春期の俺に配慮してもらいたかったな。

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