「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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そばにいて

またあの夢を見た。
大好きだった人が亡くなっていく夢。
いつもより薄暗い部屋は、外が雨模様なことを物語っている。
「・・・」
無言のため息。雨の日にこんな夢を見ると、悲しくて寂しくて憂鬱になる。
雨と同じように、私の頬を涙が流れる。
あの人と一緒にいたい。
いつも軽口を言い合う、彼の姿が目に浮かんだ。
ppp・・・
携帯が鳴り、出ると、彼の声が聞こえてきた。
「俺。いきなりで悪いんだけど、今、すごくお前に会いたい」
いつものクールな感じとは違った、切ないような声。
「うん。私も会いたいの」
素直な気持ちが唇から溢れ出た。
「じゃあここ、開けてくれるかな・・。お前んちのドアの外に来ちゃったんだ」
私はもつれそうな足で急ぎドアを開けた。そこにいたのは、会いたいと思っていた、彼。
「朝早くで悪いと思ったんだけど、お前の夢を見たら会いたくなった」
「やぁだ・・」
湿っぽい彼の体が、やや強い力で私を抱きしめる。彼の匂い。私は彼の腕の中に体をゆだね、しばらくじっと抱き合っていた。
こんな風に抱きしめられるのは久しぶりだった。彼の腕がこんなに愛おしくて、温かくて、強いことなんて知らなかった。
「ごめん、湿らせちゃったな」
Tシャツ一枚の私。はじめて自分の姿に気づき、小さい悲鳴と共に胸元を隠した。足もむき出しのままだ。
「着替えてこいよ、風邪ひくぞ」
温かいコーヒーを入れ、何となくいつも以上にくっつきあって座る。彼の腕が自然と私の肩を抱き、そのまま私は頭を彼の方にもたせ掛けた。
「俺が死んでいく夢、時々見るんだ。お前が俺を看取る。俺はこいつと生きていきたいと思いながらも死んでしまう、そんな夢」
「私も同じような夢なの。私が、大好きだった人を看取るのよ」
彼の手が私の髪をなでる。
「夢の中でも俺は俺、お前はお前だった」
「うん・・でも今はこうして温かさを感じられるわ」
「そうだな」
雨の日は、ずっと彼と過ごしていたい。

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コメント

    • おりぼん
    • 2009年 5月 17日 11:53am

    こんにちわ、おりぼんです。
    ぐああ・・・すごい切なくてよいですねぇ。
    でも、ほんわか。
    うあああ・・・よすぎて、言葉にできません。
    支離滅裂なコメントをお許し下さいませ。

      • 紅梅
      • 2009年 5月 17日 3:45pm

      コメントありがとうございます。
      雨って切なくて、誰かのそばにいたいと思うので、こんな話を書いてみました。
      もしかして願望かもしれません^^;

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