「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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本当の気持ち10

時は冬。
綾女はある屋敷から降り積もる雪を眺めていた。
豊かな黒髪が打ちかけの肩から零れ落ちている。
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半年前。
綾女と左近が契りを交わしてから間もなくのこと。
里の長が二人のもとを訪れ、相談を持ちかけてきた。
「信濃の国主は、忍びに対して万全の結界を持っている。影忍といえども結界を突破するのには困難を伴うだろう」
綾女は、つと顔を上げた。
「その結界は忍びに対して有効なもの。忍びでない者には無効でござりましょう」
「それはどのような」
「私を侍女としてお連れくださいませ。国主は無類の女好きと聞いておりまする」
左近の顔色がわずかに変わった。
「綾女、おぬしは女なのだぞ」
「だからこそ、行くのだ」
左近は綾女を抱きしめた。
「案ずるな。私は大丈夫だ。すぐに戻る」
その夜左近は綾女を抱こうとしたが、綾女はやんわりと断った。
きっと左近は愛の証を散りばめるだろう。その気持ちが綾女には辛かった。
________________________
「葵様、こちらにおられたのですか」
綾女は葵と名乗っていた。その美貌は国主の目に留まり、先日側室として迎え入れられた。そして今宵。
「殿のお召しでございます。お支度なさりませ」
綾女はすっと立ち上がった。
・・今宵、本懐を遂げる・・

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