「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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電話2

コタツでくつろいでいると、見慣れた番号からの電話がかかってきた。
左近だ。
「もしもし」
返事がない。いたずらじゃないよね・・・
「もしもし?」
左近の番号だったことを確認して聞いてみた。
「左近なのね?」
「あ、ああ」
左近だ。ぱあっと頬が赤くなってしまった。
「嬉しい、電話もらえて」
「うん」
誰かいるのだろうか。歯切れが悪い。
「誰か・・いるの?」
「蘭丸がいたんだ。今まで」
「え、今朝学校に来てたよ?あ、じゃああの後すぐに行ったんだ」
「春から俺の隣に住むことになって、下見に来ていた」
「お隣?ふふっ、面白そう」
「他人事だからそんなことが言えるんだ」
蘭丸のことだから集会をするつもりなんだろう。その光景が見えるようで笑ってしまった。
「髪を切ったんだな」
しばしの間のあと、左近がいたわるような声を出した。
「何で知っているの?」
「蘭丸が言っていた」
「そうなの。男みたいになったって佳代に言われてね」
「いや、きれいだよ」
久しぶりに言われてどきどきした。
「蘭丸が携帯で撮った写真を見せてくれた」
耳元で囁くような左近の声。胸が高鳴る。
「きれいだ・・」
「ありがと・・」
「待ち受けになっている」
「恥ずかしいなぁ」
「この間はすまなかった」
まじめな声。私も慌てて姿勢を正した。
「あ、私こそごめんなさい」
「本当は綾女を抱きたかった」
いや〜ん、衝撃的告白。左近たら左近たら、もう照れちゃうじゃない。
「でも綾女は、今穢してはいけないと思ったんだ。だから帰ってきた。あのままいたらきっと綾女を・・」
「それは、私が怖がっていたから?」
思っていたことを聞いてみる。
「…………」
やっぱり。私は少し落ち込んだが、気持ちを持ち直した。
「ありがとう、そこまで私のことを気遣ってくれたのね。でも私は左近となら、その・・大丈夫だと思う」
言ったはいいけれど、いきなりぶっつけ本番は戸惑う。
「誰かに聞いておいたほうがいいのかな」
「それはだめだ」
即座に慌てたような左近。
「でも」
「俺が教えるから」
嫉妬しているのかしら。つい笑みがこぼれた。
「左近に任せる」
「ああ」
「今度、いつ会えるかな」
「そうだなぁ・・・」
悩んでいるのかなぁ。この間はこっちに来てもらったし、次は私から行こうかな。
「私は週末ならそっちに行ってもいいよ。今週は無理だけど」
「わかった。予定を確認してまたメールする」
「うん、じゃあ」
「うん、綾女」
「なぁに?」
耳元でキスの音が聞こえた。照れ屋の左近はすぐに電話を切ってしまった。
私はそのまましばらく固まっていた。あの左近がこんなことをするなんて。
「ふふ、早く会いたいな、左近」
もう通じていない電話にそっとキスを返した。

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