「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。
「わぁ・・・」仕事帰りに少し回り道をし、安土城址のそばを通った綾女。こぼれんばかりに咲き誇る桜を見て、思わず声をあげた。左近から話には聞いていたが、これほど…
「あれ?この桜だけ花が散っているね」「他の桜はまだなのに」花見に来た観光客が、口々にそう言いながら、桜の下を通り過ぎていく。仕事をしながら左近は、夕べの綾…
葉隠れの里まで、普段ならあと1日というところまで進んでいた。「頭・・痛い・・」ガンガンする頭と気持ち悪さで綾女はしばし休んでいる。花冷えで1週間ほど冬に戻…
夜は嫌い。ましてや、満月はもっと嫌い。あの時と同じように、あなたは満月の晩に逝ってしまった。顔は腫れるほど泣き暮らした日々は、もう3年になる。時は不思議…
またあの夢を見た。大好きだった人が亡くなっていく夢。いつもより薄暗い部屋は、外が雨模様なことを物語っている。「・・・」無言のため息。雨の日にこんな夢を見…
体が震える。月を見ると、あのときのことが鮮明に思い出され、嗚咽が漏れる。「左近」呼べば応えてくれた風も、今はない。「左近?誰?」まどろんでいたと思って…
窓からの光が、いつもより鈍い。左近は身を起こし、カーテンをめくってみた。「雨か・・」隣に眠る愛おしい女性が、身じろぎした。「雨?」返事の代わりに、髪を…
気休めにもならない、ぬるい風がかすかに吹く。「暑いな」左近は起き上がって、少しでも風に当たろうと縁側に近づいた。「ふう」腰をかけると、少し風が当たるよう…
久しぶりの、束の間の静寂な夜。不意に手渡されたそれは、細長い紙縒(こより)だった。「なんだ?」言いながらも綾女は手に取った。その表情がふっと和らぐ。「懐…
川面をギラギラと日差しが照りつける。底の浅い川は、水がぬるくなっている。それでも喉を潤すには十分な冷たさだ。左近が日陰で涼んでいると、綾女が現れた。「どこ…
翌日。「こんにちは。お願いします」「あらいらっしゃい。左近さんも?」「ええまぁ、あはははははは」一瞬曇った表情をした桔梗だが、営業スマイルにささ…
翌晩。龍馬は蘭丸とともに冥府魔道に落ち、妖刀のひとつが消えた。左近は疲れきっていた。大きな外傷はないものの、妖刀の力を出しすぎたのか、体がきしみ、痛む。「…
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