「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。
高校生になって初めての週末は、お花見日和だった。朝早くに目が覚めた綾女は、散歩に出ようとした。庭先で左近が竹刀を振っている。額には汗が光り、袖を捲り上げた二…
「・・やめ。綾女」遠くから左近の声が聞こえて、私はぼんやりしていたことに気がついた。「あ、呼んでた?え?」私は石段の前で座り込んでおり、左近が後ろから体を…
その桜を何度眺めたことだろう。毎年我が家と隣の日向家でお花見をしている。左近と喜平次は高校卒業後、ひとり暮らしを始めており、めったに帰ってこない。たまに帰っ…
大手門の方に向かおうとして向きを変えると、ひとりの男性が歩いてきた。見覚えのある、少し茶色がかった髪。「左近」思わず呟いてしまった名前。左近は少し立ち止ま…
いつも夢を見る。どんな夢かははっきりと覚えていないが、いつも涙で枕が濡れている。今朝もそうだった。「あー、やっぱり・・」瞼が少し腫れていた。顔を洗うと…
その日は生憎の天気だったが、綾女は普段できなかった家事を片付けていた。「これで天気がよかったらワックスかけられたのにな」掃除機をかけ、雑巾がけをしていく。さ…
キッチンで綾女は奮闘していた。「できたー!」材料は昨日仕事帰りに揃えていたのだが、米だけは重くて買えなかった。「うふ、ずっと作ってみたかったのよね。パエリ…
その晩。綾女は人の声で目が覚めた。誰かが会話している声。「・・・!・・・っっ」女性の声も混じっている。綾女は急に覚醒してしまった。隣の部屋から聞こえ…
黒髪が美しい女性。綾女の第一印象。黒目勝ちの黒曜石のような瞳。表情豊かな顔。左近は昨日知り合ったばかりの綾女を思い起こしていた。目が合うと、恥ずかしそう…
自宅に戻り、見上げると左近の部屋の明かりがついていた。「・・・」複雑な思いで部屋のドアを開けていると、左近が出てきた。「これ、返そうと思って」昨日パエリ…
家に帰ると、父親が綾女をやさしく出迎えた。近くに住んでいる叔母の佳代も来ていた。「左近の父です。これは私の妹の佳代」「こんばんは、佳代です。左近から話を聞い…
ふと目をあげると夕焼けがきれいだった。綾女はベランダのサッシを開け、サンダルを履いて外に出た。「おいで、夕焼けがきれいよ」綾女に似た女の子が声に誘われ、歩…
家の窓から、安土の桜が見える。ここ数日暖かい日が続いたためか、遠目からもうっすらピンク色に染まって開花し始めていることが見てわかる。桜の時期といえど、朝晩の…
カラランッグラスの中の氷が音を立てた。「アイスコーヒー、もう1杯飲む?」食器を下げながら綾女が声をかける。「ああ、もらえるか」世間は今日…
梅雨の走りか、雨が多くなってきた。「左近、おはよう。うふふ」シャワーを浴びた俺に綾女が近寄ってきた。棒を見せる。「あ、これは」妊娠検査薬。しっか…
安土は雪がよく降る。今日も雪が降っており、俺はこたつでパソコンを操作していた。綾女がお茶を入れ、こたつに持ってきた。「どうぞ」「ありがとう」綾女…
「おはよ」「ん」ベッドでキスをする。窓からは朝日がさしこんできていた。俺が新聞を取っていくと、すでにおせちがこたつに並べられ、お屠蘇も用意されている…
今日は大晦日。安土の冬は寒い。夕方の寒風吹きすさぶ中、俺は窓拭きをしていた。手の感覚がみるみるうちになくなっていく。大掃除もここを終えればおしまいだから、頑張っ…
2時間の時が過ぎ、二人は白川郷を出た。綾女は格段に色気が増していたが、少しよたよたしていた。まわりの男どもが綾女を見る。「ねぇ、私の歩き方って変?見られ…
綾女は左近の手が好き。ひとまわり大きく、綾女の手をすっぽり包み込む。少し乾いた暖かい手。その手に引きこまれると、左近の体が綾女を包み込む。ホッとして安心できる場…
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